京急グループの臨港バス(川崎鶴見臨港バス)が2020年3月下旬から、鶴見駅を発着する横浜市内の路線バスの一部で、軽油の代わりに「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を使用しています。
この燃料はバイオテクノロジーのベンチャー企業であるユーグレナ社が製造。ミドリムシ(学名「ユーグレナ」)などの微細藻類と、食用油などの「廃食油」を原料しており、後者の一部は、横浜市内の小学校で回収された家庭からの使用済み食用油を利用しているそうです。
ユーグレナ社は2018年、横浜市鶴見区に日本初の「バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント」を建設し、飛行機やバスの燃料とすることを目指して実証を重ね、2020年からバイオ燃料をいすゞなどへ出荷しています。同社は横浜市と提携し、原料になる廃食油の回収、燃料の製造、使用まですべて横浜市で行うモデルを構築する「バイオ燃料地産地消プロジェクト」に取り組んでいるといいます。
今回のバイオ燃料は、従来型のバイオ燃料のようにトウモロコシやサトウキビといった作物ではなく、ユーグレナなどの微細藻類油脂や廃食油を主原料としていることから、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさず、持続可能性に優れた燃料となることが期待されているといいます。化石燃料を使用している既存のエンジンにも問題なく適用可能で、水素や電気といった代替エネルギーへの移行に必要なコストも少ないことから、利用が拡大する可能性があるとのことです。
乗りものニュース編集部
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