Search

吉田博士のパズル学校<10> 解答編 - 中日新聞

◆酒と仮定 うそを解く

 Aは酒、Bはしょうゆ、Cは油。

 「背理(はいり)法」という考え方に慣れていない人のために、大きな流れを言うと、「A、B、C3本のビンの中の2本のビンの中身が酒であることを否定(つまり、酒でないと)すると、酒が入っているのは、残る1本のビンである」と話が進むのが、この考え方の中心です。

 さて、本論です。「Bのビンに酒が入っている」と仮定すると、酒が入ったビンにはうそのラベルがはってあるということなので、はられているラベル「油ではありません」は正しい(うそではない)ことになるので、正しいラベルをはったビンBは酒であるはずがありません。つまり、Bを酒と仮定したのは間違いで、Bは酒ではないとわかります。

 次に、「Cを酒」と仮定すると、これもBのときと同じで、Cのラべル「油ではありません」も正しいことになり、正しいラベルをはってあるビンCは酒でないことがわかります。

 したがって、B、Cのいずれもが酒でないとすると、酒はAのビンということになります。とすると、残るしょうゆ、油はB、Cのいずれかのビンに入っていることになります。

 ここで、酒のビンAにはられたうそラベル「Bは油です」が効いてきます。「Bは油です」がうそとなると、「Bがしょうゆ」以外考えられません(酒はAに入っているので)ということになります。こうして、Bにはしょうゆ、Aが酒となると、自動的にCは油ということになります。

◆「クイズ」の語源は賭け?

 この問題を、私の研究室の学生に出したところ「匂(にお)いをかげばわかるんじゃないですか」の名解答。見事!彼こそ本当の「臭才(しゅうさい)(秀才)」です。

 パズルとは対照的なクイズの語源について、面白い話があります。1790年代に、アイルランドのダブリンに住むある男が、友人たちと「一晩で新しい言葉をはやらせることができるか否かの賭け」をしました。さっそく、彼は一晩中、街中のいたるところに「quiz(クイズ)」と書き歩きました。翌朝、市民はあちこちに書かれているquizという文字を見て「これは、一体どういうことだ」と話題にし、彼の狙い通り、新しい単語が流行しました。

 オックスフォード英英辞典では英単語quizの意味として、二つが書かれています。最初の意味には日本でもよく使われている「人の知識を試す狙いでラジオやテレビで行われるコンテスト」で、2番目の意味として「(アメリカでは)大学生に対して課せられた非公式のテスト」という記述があって、日本の大学では一般には行われていないテストです。

 十数年間の留学生活で博士号を取得した友人にきいたら、「このクイズで教授がどんな点を重視しているかがわかり試験の出題傾向がわかる」そうです。日本では、小中学校で行われる小テストという感じでしょうか。

この記事を印刷する

Let's block ads! (Why?)



"油" - Google ニュース
April 25, 2020 at 03:09AM
https://ift.tt/3eMwSYF

吉田博士のパズル学校<10> 解答編 - 中日新聞
"油" - Google ニュース
https://ift.tt/2YrqsGx
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini
Powered by Blogger.